大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

神戸地方裁判所 昭和60年(ワ)1779号 判決 1987年3月31日

原告

寺井繁幸

被告

岡林忠徳

ほか一名

主文

一  原告の被告らに対する請求をいずれも棄却する。

二  訴訟費用は原告の負担とする。

事実

第一当事者の求めた裁判

一  原告

1  被告らは各自原告に対し、金四四八万三八二〇円及びこれに対する昭和六〇年二月二〇日から完済まで年五分の割合による金員を支払え。

2  訴訟費用は被告らの負担とする。

3  仮執行宣言

二  被告ら

1  原告の請求を棄却する。

2  訴訟費用は原告の負担とする。

第二当事者の主張

一  請求原因

1  交通事故の発生

(一) 日時 昭和六〇年二月二〇日午前〇時四〇分頃

(二) 場所 神戸市中央区中山手通一丁目一七番一四号先道路上

(三) 当事者

加害車両 神戸五五う七〇三二号普通乗用自動車

運転者 被告岡林忠徳

車両保有者 被告大東自動車株式会社(以下被告会社という)

(四) 態様

原告が加害車両に乗車すべくドアーに手をかけたところ突然加害車両が発進したため、原告が路上に転倒した。

(五) 結果

原告は、本件事故により左膝挫創傷、左肘挫傷等の傷害を負い、自賠法施行令別表一四級に該当する左膝関節痛の後遺症を残し、右症状は、昭和六〇年八月三〇日固定した。

2  責任原因

被告岡林忠徳(以下被告岡林という)は、タクシー運転の業務に従事するものであり、原告が路上にいることを認めて同人を乗車すべく加害車両を停車させたのであるから、加害車両を発進させる場合には、原告の挙動に注意する等、後方確認を十分になした上発進すべき義務を有するのにかかわらず、漫然加害車両を発進させた過失により、本件事故を惹起したものである。被告会社は、加害車両を保有し、これを自己の為に運行の用に供していたものであると共に、被告岡林を雇傭し、その業務の執行中本件事故を惹起したものである。

そこで、被告岡林は民法七〇九条により、被告会社は自賠法三条、民法七一五条三項により、連帯して原告に対し後記損害を賠償する責任がある。

3  原告は本件事故により、次の損害を受けた。

(一) 治療費 金九三万八〇四〇円

イ 金七〇万〇八二〇円 浜田病院分

ロ 金二三万七二二〇円 松尾接骨院分

(二) 通院交通費 金三万八七九〇円

(三) 休業損害 金一六五万六七四六円

4,837,700×125/365=1,656,746

(四) 後遺症による逸失利益 金四五万〇二四四円

4,837,700×0.05×1.8614=450.244

(五) 通院慰謝料 金一二〇万円

(六) 後遺症慰謝料 金九〇万円

(七) 弁護士費用 金五〇万円

合計 金五六八万三八二〇円

4  原告は被告より合計金二八万〇〇七〇円、自賠責保険より金九一万九九三〇円(但し、内金八七万九七八〇円は浜田病院、松尾接骨院支払分)合計一二〇万円を受領した。

5  よつて、原告は被告らに対し、第3項記載の合計金五六八万三八二〇円より第4項記載の既受領金一二〇万円を控除した残額金四四八万三八二〇円及びこれに対する本件事故日である昭和六〇年二月二〇日から支払ずみまで、民法所定の年五分の割合による遅延損害金の支払いを求める。

二  請求原因に対する被告らの認否

1  請求原因第1項のうち、本件事故が発生した事実を認めるが、傷害の内容・程度は不知である。

2  同第2項のうち、被告岡林の過失を否認し、被告会社が事故車の運行供用者であることを認める。

3  同第3項の事実はすべて不知である。

4  同第4項の事実は認める。

三  被告らの主張(免責の抗弁)

1  被告岡林は、事故当日の深夜、タクシー乗り場からの乗客を乗せるために、前車に続いて停止し、順番待をしていたところ、原告ら数名が酩酊して大きな声で騒ぎながら事故車両に接近し、同所から乗車させるように要求したが、同被告はそれを無視するとからまれてトラブルになるのを恐れたため順番待の列から離れるために発進した。その時に、同被告は原告が事故車両の後部ドアに手をかけていることを知らなかつた。

2  タクシーの後部ドアの開閉はもつぱら運転者が操作するものであり、運転者が開けるのを待たずに自らこれに手をかけて開けようとすることは通常予測し得ないし、また、運転者としては順番待ちの列を離れる際に、近辺の者がドアに手をかけていることまで予測して、後部ドアに人の手がかかつていないか否かまで確認する義務もない。

3  他方、原告としては、タクシー乗り場から順次タクシーに乗車すべきであり、仮に、順番を無視して乗車するとしても運転者の了解を得て行うべきものである。そのような社会的ルールを無視し、順番待ちの途中のタクシーに無理に乗車しようとして、ドアに手をかけてこれを自ら開こうとしたのは原告の過失に基づく行為である。

仮に、ドアに手をかけていたとしても、タクシーが発進すれば体で直ぐにこれを感じて手を離すべきであり、また、そうすることは容易である。特に本件事故車両は前方に停車しているタクシーを避けるために、ハンドルを右に切りながら発進しているので、決して急発進はしていない。

従つて、原告が事故車両の発進で引きたおされたのであれば、それは原告がいつまでもドアから手を離さなかつたことによるものであるから、原告の重大な過失に因るものといわなければならない。

4  以上のとおり、本件事故はもつぱら原告の重大な過失に起因して発生したものであり、被告岡林には何ら過失はないものと考える。よつて、被告会社も自賠法三条但書きにより免責である(なお、事故車の機能構造は本件事故の発生と関係しない)。

四  右主張に対する原告の認否

争う。

被告岡林は、原告がドアに手を掛けていることを知つておりかつ酒を飲んで多少動作が鈍感になつて即座にドアから手を離し得ない状態になつていることを知り、また知り得べきであるにも拘らず、原告がドアから手を離したかどうかを確認することなく、車を発進せしめた注意義務違反による過失が存するものである。

第三証拠

本件記録中の証拠関係目録に記載のとおりであるから、これを引用する。

理由

一  本件事故の発生

成立に争いがない甲第四号証の一、二、乙第一ないし第五号証原告本人尋問の結果により原告が本件事故当時着衣していたズボン、ズボン下を撮影した写真であることが認められる検甲第一ないし第三号証、証人今村敏子、同中島芳子、同豊崎末光の各証言原告本人尋問の結果(第一、二回)、被告岡林忠徳本人尋問の結果に弁論の全趣旨を総合すれば、次の事実が認められ、これに反する証拠はない。

1  原告は、昭和六〇年二月一九日当時、不動産取引並びにミシン加工を業とする有限会社大喜に勤務し、不動産営業を担当していたが、同日午後七時ごろ、同会社社長豊橋祐喜子、その夫豊崎末光ほか同僚男女四名(以下同僚四名という)とともに、同会社に近い国鉄鷹取駅前で夕食を済ませた後、皆で三宮に出かけることとなり、三宮の飲食街スナツク等で飲酒し、同月二〇日午前〇時四〇分ごろ、二台のタクシーに乗つて西方面の各自宅に帰るべく、神戸市中央区中山手通一丁目一七番一四号先に出た。

原告は、日頃ビール二本を飲酒する位強く、同月一九日当夜はビール約三本を飲んでいて、右同所に来たときには、ほろ酔い気嫌であり、前記豊崎夫婦はかなり酩酊し、同僚四名も酔つて陽気になつていた。

2  本件事故当時における右同所付近の状況は、別紙交通事故現場見取図記載のとおりである(以下の地点は同見取図に表示されているものである)。

3  同月二〇日午前〇時四〇分ごろといえば、深夜であるが、本件事故現場付近は、三宮歓楽街に近い市道山手線であり、右時間帯、飲食店から帰りがけの人や車の出入りが激しかつた。原告及び同僚四名は、酩酊中の豊崎夫妻を歩道上に残して、車道上の<ア>地点まで進み、その東側一〇メートル前方の<1>地点に駐車しているタクシーに向け、片手を上げて陽気に乗車の合図をしていた。

4  被告岡林は、本件事故当時被告会社にタクシー運転手として勤務していたものであり、その当時被告会社所有のタクシー(以下本件加害車両という)を運転して、<1>地点の東側から先行車の後ろに続いて西進し、横断歩道線手前の<1>地点で停車したとき、<ア>地点にいる原告らが乗車を要求していることを知つた。しかし、被告岡林は、右<1>地点において原告らに対し、<ア>地点より西方約五〇メートル先にある兵協タクシー乗り場にて乗車するようにと指で合図した。これに対し、右タクシー乗り場の存在を知らなかつた原告らは、右合図を理解できなかつた。

5  被告岡林は、その後間もなく<1>地点を発車し、原告らと衝突しないよう、前記見取図矢印し記載のとおり、右半回転して<2>地点に進み、同地点からは先行車である車の速度に合わせてゆつくり進行し、車が地点で停車したので、加害車両を<3>地点で停車させた。

6  加害車両が<3>地点で停車したのを見た原告は、<ア>地点から<イ>地点(×地点、以下<イ>地点という)までかけ寄り、被告岡林に対し、「乗せよ。」と大声をあげて同被告と顔を見合せた。そして、原告は、加害車両の左後部ドア取つ手(ドア・アウトサイド・ハンドル)に左手をかけて握り、<ア>地点にいる同僚四名に向かつて、早く来るよう促がした。

原告が右<イ>地点に立つていたとき、加害車両の左側には、前記見取図表示のとおり乙車が駐車していて、加害車両と乙車との間隔は約五〇センチメートル、原告を含めた三名ないし四名が乙車並びにその後続車の動静に気をつけさえしておれば、<イ>地点で加害車両に乗車できる状況にあつた。

7  ところが被告岡林は、酩酊した様子の原告らが車道上に出て陽気な調子でタクシーを止めようとしていたり、原告が大声で加害車両に乗り込もうとしている乱暴な態度を見て、原告らを乗せれば車内でトラブルが生ずるかも知れないと危惧し、原告らを乗車させまいと考えた。そこで、同被告は、先行の車が地点を発車するのに続いて、<3>地点から加害車両を発車させ前記見取図矢印し表示のとおり西行き車線に入つて西進してしまつた。

しかし、同被告は、右<3>地点で発車する際、原告に対し乗車拒否の警告を与えなかつたし、原告が前記ドアの取つ手に手をかけているかどうかも確かめず、また、発車後、原告のいる左後方の安全に対し注意を払わなかつた。但し、右発車後、矢印しまでの間、加害車両の速度はそう早くはない。

8  一方、原告は、加害車両が<3>地点を発車したのに、酔いにより判断力、運動能力がにぶくなつて、ドアの取つ手を握りしめたまま離さず、しかも、加害車両発車後もその状態を続けたため、<イ>地点から<ウ>地点までの三・七メートルの間、加害車両に引きずられ、<ウ>地点近くでようやくドアの取つ手から手を離して、同地点で地上に転倒し、左膝挫創傷、左肘挫傷等の傷害を負つた。

9  被告岡林は、本件事故当日の朝、被告会社に行つて、始めて本件事故を知つた。

10  本件事故当時、加害車両の左後部ドアの取つ手に故障がなかつた。

本件事故当時の、上記認定以外の人車距離関係は、前記見取図記載のとおりである。

二  被告岡林、原告の過失及びその割合

前項記載の各認定事実を総合して考えてみるに、被告岡林が前記<3>地点で加害車両を発車する際、酩酊している様子の原告らの態度からみて、原告らを乗せれば車内でトラブルが生ずるかも知れないと危惧し、原告らを乗車させないとしたことには、それなりの正当性があり、また、タクシーの後部ドアの開閉はもつぱら運転手が操作するものであることは公知の事実であるから、通常の場合、運転手において乗客が後部ドアの取つ手を握つているかどうかまでいちいち注意すべき義務がないものといえる。しかしながら、深夜、歓楽街で飲酒したタクシー待ちの客が、酔余、自家用車と同じ調子でタクシーの後部ドア取つ手に手をかけることはままあることであつて、タクシー運転手において決して予想できない事柄ではなく、まして、本件の場合、被告岡林は、原告が加害車両に乗ろうとして大声で「乗せろ」といいながら、同車両にほぼ接着していることを知つていたのであるから、乗車拒否をするならば、その旨告げて原告を加害車両から離脱させるよう計るべきであつたし、また、発車ないし発車直後も、乗車拒否をされた原告に対する左後方安全確認をし、もつて、乗車拒否された客と、自車との接触事故を未然に防止すべき注意義務があつたものというべきである。しかるに、同被告は、前記<3>地点において、原告に対し、乗車拒否を告げないで突然発車し、その発車の際及び発車後も原告に対する左後方安全確認をしなかつたことは前記7認定のとおりである。もし、同被告において左後方安全確認を尽していたならば、原告が加害車両の左後方ドアの取つ手に手をかけ、同車に引きずられている異常な出来事を早く発見することができ、直ちに停車して、本件事故の発生を防止できたはずである。したがつて、同被告には、本件事故につき前示注意義務に違反した過失があるものといわなければならない。

一方、原告においては、酔余とはいえ、必要もないのに加害車両の左後方ドアの取つ手を握りしめ、しかも、加害車両が発車した際、容易に同取つ手から左手を離せるのに、前記<イ>地点から<ウ>地点まで三・七メートルもの間、同取つ手を握りしめたままなのであつて、そのため同車両に引きづられて本件事故が発生するに至つたのであるから、本件事故につき原告の過失は大きいというべきである。

しかるところ、本件事故につき、被告岡林、原告の過失割合を考えた場合、同被告三〇パーセント、原告七〇パーセントと認定するのが相当である。

三  責任事由

被告岡林には、前示過失があるから民法七〇九条により、被告会社は加害車両の運行供用者であることは前一項の2認定事実から明らかであるから自賠法三条により、連帯して原告の被つた損害を賠償する責任がある。被告会社主張の自賠法三条但し書の免責は、被告岡林に前示過失がある以上、理由がない。

四  損害

1  治療費 七二万二一三〇円

成立に争いのない甲第三号証の一ないし八、乙第一号証、第六号証によれば、原告は、前記受傷治療のため昭和六〇年二月二〇日井上外科病院に通院して、その治療費として二万一三〇〇円、同年二月二〇日から同年八月三〇日までの一九二日のうち一二五日間、浜田病院に通院して、その治療費(診断書等文書代も含む)として七〇万〇八三〇円、以上合計七二万二一三〇円を要したことが認められる。

原告は、右治療費のほかに、松尾接骨院分の治療費二三万七二一〇円を要したと主張する。

なるほど、成立に争いのない甲第六九ないし第七四号証によれば、原告は、昭和六〇年九月三日松尾接骨院柔道整復師松尾公士から左膝関節捻挫との傷病名を認定されて、同日から同六一年二月二八日まで同接骨院に通院し、その治療費に二三万七二二〇円を要していることが認められる。

しかしながら、右松尾公士は医師でないこと右認定事実から明らかである。しかも、右松尾公士が原告に対して認定した左膝関節捻挫なる傷病名は、前記乙第一号証、成立に争いのない同第二、第三号証によつて明らかなとおり、専門家である医師井上昌則、同浜田暁民の診断結果にもないものである。

仮に、原告が本件事故により左膝関節捻挫を受傷していたのに、同医師らがこれを看過していたとしても、捻挫という負傷形態からすると、原告の右負傷は、前記浜田病院における約半年にわたる通院期間中に治ゆしているものと考えられる。

そうすると、原告の前記松尾接骨院での治療は過剰なものか、あるいは本件事故後、それ以外の事故で生じた左膝関節捻挫の治療というほかはなく、その治療費をもつて、本件事故と相当因果関係のある損害と認定できない。

2  交通費 二万円

成立に争いのない甲第一六ないし第六八号証、原告本人尋問の結果(第一回)によれば、原告は、前記浜田病院に対する通院にタクシーを利用し、その代金として三万八七九〇円を支出したことが認められる。そして成立に争いのない乙第四号証によれば、原告の前記左膝挫創傷は、意外に深かつたことが認められるから、その患部に照らし、浜田病院の通院にタクシー利用もやむを得なかつたものといえる。しかし、一方同号証によれば、同創傷に対する外科的治療処置は昭和六〇年三月一五日に終えていることが認められるから、同病院への通院に、毎回タクシー利用をしなければならなかつたものとは理解しがたく、結局、前記支出額のうち二万円の範囲において、本件事故と相当因果関係のある損害と認める。

3  休業損害 一二七万二三八一円

原告本人尋問の結果(第一回)、同結果により、真正に成立したものと認められる甲第六ないし第一〇号証を総合すれば、原告は、前記のとおり有限会社大喜に勤務し、本件事故当時年四八三万七七〇〇円(月四〇万三一四一円)の収入を受けていたことが認められる。

原告は、一九二日の期間中、浜田病院に通院していたこと前1認定のとおりであるが、前2認定の受傷程度に照らし、右一九二日の半分である九六日をもつて休業に要した日数と認め、休業損害を算定すれば、頭書金員となる。

4,837,700×96/365=1,272,381

4  後遺障害逸失利益 〇円

成立に争いのない甲第二号証によれば、前記医師浜田暁民は、昭和六〇年一一月一五日、原告の傷病名は左膝挫創傷、左肘挫傷、自覚症状左膝関節痛、他覚症状及び検査結果レントゲン異常なし、関節液貯留なしと記載した後遺障害診断書を作成していることが認められる。

しかし、むち打ち症において頸部等に神経症状を残す事例のあることは公知の事実であるが、左膝挫創傷、左肘挫傷というような外傷から、左膝関節に神経症状を残すということには定形性を欠くのに、右甲第二号証には、右両者の関連について医学上なんらの説明をしていないことが同号証によつて明らかであるから、同号証の前記記載をもつて、直ちに、原告の左膝関節に神経病状の後遺障害があるとすることはできない。したがつて、原告主張の後遺障害逸失利益は、これを認めることはできない。

5  通院慰謝料 七〇万円

原告主張の後遺障害慰謝料は、前4項記載の理由により後遺障害を否定せざるを得ないので、その慰謝料を認めることはできない。

6  以上、1ないし3、5の合計は二七一万四五一一円となる。

五  過失相殺

原告には、本件事故につき七〇パーセントの過失があることは前一項認定のとおりであり、前四項6記載の損害合計から右過失割合を控除すれば、残損害は八一万四三五三となる。

2,714,511×0.3=814,353

六  損害てん補

原告が本件事故につき一二〇万円の損害てん補を受けていることは当事者間に争いがない。

前項記載の損害額八一万四三五三円に対し右損害てん補を充当すれば、三八万五六四七円の過払となる。

七  むすび

そうすると被告らには、本件事故による損害賠償債務は存在しないから、原告の被告らに対する請求は、いずれも失当として棄却すべきである。

よつて、訴訟費用の負担について民訴法八九条を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判官 広岡保)

別紙

<省略>

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例